自然体の自分を取り戻して

一昨日の夜、
12月11日からケア滞在をしていた
あんべちゃんの「卒業コンサート」が行われました。
二十数年間、
ギャンブルやアルコール、ニコチンへの依存に
苦しんできたあんべちゃんですが、
見事一ヶ月で卒業となり、
翌朝、皆から祝福されながら
ファミリーを発ちました。

そのあんべちゃんの卒業のあいさつと
主治医であるいさどんからのメッセージ、
そしてメンバーからの祝福のコメントを
皆さんにシェアしたいと思います。

あんべちゃん:

皆さん、本当にありがとう!
今日一日いろいろ考えていて、
まとまったことを話したいとか、
まとまったことを話さなきゃいけないという
感覚があったんですけれど、
それは自然体ではないなと思いました。

ここに来たおかけで
自然体であることの大切さを実感したのと、
ここの生活のおかげで豊かさを実感できたので、
今ある自分の自然な気持ちを話そうと思っています。
何も用意していない今、
漠然と浮かんでくる言葉で話してみようと思っています。

ついさっき感じたことは、
「生きていて良かったな」ということです。
こんな豊かな生活ができて、
こんな豊かな人々とのつながりを得ることができて、
本当に生きていて良かったなと思っています。
自分を嫌いにならないで良かったなと思いました。
これも皆さんのおかげです。
これから、またちょくちょく来ます。
皆さんとのつながりを大切にして、
自分を嫌いにならないで、
頑張って生きていきたいと思います。

ありがとうございます。

いさどん:

あんべちゃん、卒業おめでとうございます。
いつも思うのですが、
おめでとうということと同時に、
ありがとうという想いを持っています。
人と人がつながって幸せな生活をする。
それを喜びとする。
そういうふうに想い、
ここの生活が始まりました。

今の世の中は、
沢山の価値や豊かさにあふれています。
しかし、豊かであるがために、
その豊かさを維持していこうという心が働き、
新たな問題が起きている。
そういったカラクリの中で
得ようとすること、維持しようとすることじゃなくて、
問題が発生した時にそれを解決していくこと。
それが、世のため人のため。
そうやって生きていこうと、
この生活が始まった、
というふうに記憶しています。

思い出すと、一ヶ月くらい前に
あんべちゃんのお母さんから相談があって、
「うちの息子は、とても私の手には負えません。
どう導いたらいいかわかりません」
というような悩みの電話がありました。
そこで僕は、
「とりあえず彼に聞いてみてください。
自分で今の状況を良いと思っているのだろうか。
そこから抜け出したいと思っているのかどうか、
彼に聞いてみてください」と言いました。

「ちょっと時間をください。聞いてみます」
ということで、
しばらくしてまた電話がかかってきました。
「自分はこのままじゃいけないと思っている。
何とかもう一度自分を取り戻したいと思う、
と言っています」と言うものですから、
「それならば、一度こちらへ来てみてください」
ということになりました。

初めて会った時に、
よくあることなんですが、
彼の姿は老人のように見えました。
本来、老人であっても、
希望があっていいはずです。
今、死を迎えようとしている人だったって、
新たな旅立ちという夢をもっていいはずなのに、
「まだ若いのに随分と老けたもんだな」と思いながら、
この老人を復活させたいなと思いました。

本人の意思を聞いたら、
健康な自分を取り戻したいという
強い意思が明らかでした。
それで、ここの生活が始まりました。
最近は特にそうなんですが、
特別なことはほとんどしていません。
僕がカウンセリングをしたわけでもなく、
時々節目の時に相談に乗っただけでした。

この場所にいると、
一人一人がとても個性的で出来上がっている。
皆の心に大きな定まりというものが観えている。
その中にあんべちゃんも生活していて、
この場所が人を癒し、治し、
希望ある生活に導くんだなと思いました。

私たちは、これを本当に大事として、
これからも世の中に広めていく。
困っている人たちのためにこの生活をしていく。
さらに、ここだけではなく、
もっと広くいろいろなところで、
このような生活が営まれていくんです。

苦痛が人々を導いて
喜びとなるような世界を広げていきたいと思った時に、
あんべちゃんは救われたのではなく、
本当の自分に出会ってそれを取り戻した。
そして、これからその恩恵を受けて
ありがとうと暮らしていくだけではなく、
今度はそれをもって社会に出て、
社会に対して役立ててもらう。

そうすることによって、
今度は自分がありがとうと言われる。
ありがとうと言われるということは、
今度は自分に値打ちがついたということです。
相手からは値打ちをもらったんだから、
自分からもありがとうと言う。
そういった輪が広がっていくことが
大事だと思っています。

今朝、あんべちゃんが
これからの決意を細かく箇条書きにしていました。
真面目に自分の目標を立てて達成していく。
そういう人だからこそ、
目標が崩れた時に責任を感じ、
自分を責めてしまう。
そういった出来ない自分から逃げるために、
今までギャンブルなど
健康でない方向へ歩んでいったんだなと思います。

今朝、僕が伝えたのは、
「あんべちゃん、固いね。
真面目に仕組みをつくって、
そのように達成することは素晴らしいこと。
でも、それではつまらないだろう。
自分の枠の中だけだから。
そして出来なかった時に、
自分を責めることになってしまう。
それは固い話だ。

車を運転する時に、
ハンドルでもブレーキでもアクセルでも、
全部、遊びがある。
それで初めて健全な運転が出来る。
それと同じように、人生にも
遊びがないといけないんだよ。
楽しみながらいくということが大事で、
だからと言って遊びばかりでは動けない。
そのバランスが大事だ」
ということでした。

それに対してあんべちゃんは、
「全くそうですね」と答えました。
真面目すぎて
自分が潰れてしまったあんべちゃんが
そのことを知り、
先程のあいさつで
「自然体でなくちゃいけない」と
早速取り入れた。
これが、ここの効果ですね。

以前のあんべちゃんなら、
自分が書いたものを持ってきて
そのまま述べただろうに、
今日早速それを取り入れ、
「自然体で湧いてくる言葉を語ります。
沢山約束せずに、とりあえず旅に出てみて、
やれるようにやってみます」と言う。
一番いい答えですね。
その言葉で、
今回のケアの卒業になったなと思い、
良かったなと思いました。

いろいろな人がここを卒業していきますが、
最近は優等生ばかり。
来る人は皆、健全になって卒業していきます。
一人一人が自分の人生の中で問題をもらい、
答えを見つけて、卒業していく。
あんべちゃんのオリジナルの人生に対して、
これからこの卒業を
活かしていってもらえたらいいなと思います。

何はともあれ、とても良かった。
おめでとうと同時にありがとうという言葉で、
今日卒業のあんべちゃんへの言葉とします。
ありがとうございました。

追伸ですけれど、
今日あんべちゃんとここに来る途中に
車の中で話したのは、
「これからいろいろな場所でいろいろなことが始まる。
あんべちゃんは、まず社会に出て
自分なりに挑戦してもらって、
それはそれで頑張ってやってください。
でも、いろんなことが始まる中で、
例えば琵琶湖の研修センターが立ち上がったら、
ホテルの厨房の責任者がいる。
それは一つの例だけど、
何か話があった時に、
また帰っておいで」
という話をしました。
(一同拍手)

(ここで、ケアのスタート時と終了時の
あんべちゃんの写真がスクリーンに映し出され、
皆から歓声と共に大拍手が沸き起こりました)

みっちゃん(司会):

素晴らしい!良い写真だね。
何か、あんべちゃんに対してコメントがある人はいますか?

みこ(4才):

はい!あんべちゃんのスープは
とてもあまくておいしかったです。

あんべちゃん:

また今度来るときにつくるからね。

みっちゃん:

チャーハンも子供たちに大人気だったね。

えいごばあちゃん:

あんべちゃんは、
何か作っている時にすごく生き生きしているの。
その生き生きしているのを忘れないで、
ずっとやっていってほしいなと思いました。

あいちゃん:

日に日にたくましくなって
変わっていくあんべちゃんの姿を見て、
こちらも嬉しかったです。
あんべちゃんのお料理に対する姿勢が
私の学びになったなと思いました。
残り物をまた違う形にしたり、
皆が喜ぶようなものを作ってくれたり、
本当に勉強させてもらいました。
また、いつでも戻ってきていいからね。
行ってらっしゃい!

あんべちゃん:

いってきます!
頑張らないように頑張ります(笑)

この後も続々と皆からのコメントが続きました。
これもひとえに、
あんべちゃんの自分と向き合う真面目な心と
自分の得意なお料理で皆を喜ばせようとする想いが、
皆の感動を呼んだ結果なのだと思います。

皆から祝福されて
ここを卒業していったあんべちゃん。
あんべちゃんの人生がこれから美しく花開くよう、
皆で心から応援しています。


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