『シリーズ激動の世界』より ③揺れる“超大国”~アメリカはどこへ

時代の転換期を迎え大きく揺れ動く世界の今を描くNHKスペシャル『シリーズ 激動の世界』。第1回『テロと難民~EU共同体の分断』、第2回『大国復活の野望~プーチンの賭け』に続く第3回は『揺れる“超大国”~アメリカはどこへ』。
冷戦崩壊後、「世界の警察官」として国際秩序への関与を続けてきたアメリカ。 しかし、イラクではアメリカがフセイン政権を崩壊させた後混乱が全土に広がって多くの死傷者を出し、内戦が激化するシリアでも対IS戦略に迷走するなど、中東での対応は混迷を極めています。オバマ大統領が「もはやアメリカは世界の警察官ではない」と宣言する一方、「偉大なアメリカを取り戻す」と言って過激な発言を繰り返すドナルド・トランプ氏が次期大統領候補として浮上。世界中にISに共鳴する若者が増え続ける中、アメリカ政府はITを駆使してアメリカの価値観を拡散させる情報戦に乗り出しました。

*番組の内容については下記をご参照ください。
『シリーズ激動の世界』公式ホームページ

 

シリーズ 激動の世界
第3回『揺れる“超大国”~アメリカはどこへ』より

あわちゃん:
最近、日本人女性が書いた片付け術の本が全米1位を獲得したというニュースを観ました。部屋を整頓することによって自分が生き生きするというようなことを書いた本が、1年以上もベストセラーを続けてついに全米1位になったらしく、米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」にその人が選ばれたそうです。だけどその生き生きって、今までの生き生きだなと思うんですよ。昔僕が会社員だったころに目指していたような、その世界の中で勝ち残っていくための生き生き。だけどこれからの時代の生き生きは、確実に今までとは違うものだろうと思うんです。

いさどん:
僕もたまたまその人が紹介されている番組を観ました。アメリカでタレントのようになって講演もしていて、片付けについてですからそれほど難しい内容でもないのでしょうが、その講演に2000人の人が集まるそうです。僕はそれを観ていて、アメリカ人たちがモノをたくさん持ち過ぎて、身動きが取れなくなっていることを感じました。体にしても、世界の中でのアメリカという立場にしても、所有し過ぎてこれからどうしたらいいかわからなくなっているのです。
しばらくの間、アメリカという国が世界の警察であり、正義であり、目指すべき着地点でした。しかしオバマ大統領は、「アメリカはもはや世界の警察官ではない」と言いました。昔は外国に介入することが自分たちの国益になるからこそ、国民も損得勘定でそれを支持していたのですが、ブッシュ大統領に乗せられてイラクに介入し、大変な出費と痛手を被ったのです。そのトラウマから、自分たちの利益にならないことに正義感をかざして他国に介入するのはやめようという気運がアメリカ国内に高まりました。

ともこ:
アメリカにシェール革命が起きて、原油を自給できるようになったことも大きな要因だと言っていたね。もう中東の石油に頼らなくてもよくなった。

いさどん:

アメリカは民主主義の国ですが、そこには落とし穴があります。国民の意識が低いと、その低い意識の人たちも一人一票を持っているわけですから、低い意識によって代表が選ばれるのです。国民が賢ければ優れた人が選ばれますが、国民が愚かであれば愚かな代表が選ばれ、結果的に戦争に走るようなことにもなるのです。
ロシアや中国のように半独裁の国では、民意に反してでもトップの判断でことを推し進めることができます。しかしアメリカのように世論が人々の欲望のままに動いている世界では、その世論の意識レベルの代表が常に選ばれる仕組みなのですから、皆が目指しているものが共通している時はそのまま進んでいくのですが、ひとたびその目指しているものが崩れるとてんでバラバラな社会になっていくのです。それで今アメリカは迷走状態になっています。
アメリカの若い女性が片付け術を知って幸せになりましたとコメントしているのを観ながら、多くのアメリカ国民の意識がそういった低い層にあることを感じました。しかし日本のマスコミは、日本人がアメリカでベストセラーを出して「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたということで騒いでいます。そのニュースを観る日本の国民の多くも「へぇ、すごいね」と言って終わるのかもしれませんが、僕はそうは観ません。アメリカ人の意識はそこにヒットするレベルなのだということが明るみになっただけです。

ともこ:
アメリカの世論調査で、トランプ氏が「尊敬する人物」の1位になってたね。

いさどん:
民主主義は選挙によって代表を選びますね。選挙にはたくさんのお金が必要ですから、立候補する人にはスポンサーがつくことになります。そうすると候補者はスポンサーの意向を無視することができないので、言いたいことが言えなくなります。アメリカは言論の自由を掲げていますが、実は民主主義とは言いたいことが言えるわけではないのです。それが今の世界を支配する民主主義のアメリカという国の現実です。
それに対して、トランプ氏は十分な財力があり、スポンサーに頼らなくてもいいから言いたいことを言うことができます。

bunmeishuukisetsu文明周期説で観ると、今は800年ごとに東西の文明の盛衰が入れ替わるちょうど切り替えの時です。その切り替えの時には必ず民族の大移動が起きており、現に今も中東からヨーロッパにたくさんの人が移動しています。およそ800年前に、イスラム文明(東洋)が栄えていた地に十字軍がやってきてキリスト教(西洋)の支配が始まりました。それが今まさに入れ替わりの時に来ており、これからイスラム教が栄えていくのか仏教が台頭してくるのかはわかりませんが、それに対して抵抗しているアメリカ的、白人的危機感があります。
アメリカは多民族国家と言われていますが、中心となって国を動かしているのは白人です。これまでのアメリカは、自国の利益のためにベトナムやイラクなど多くの場所で戦争を起こし、たくさんの人を殺してきました。そのアメリカの本音、実態がトランプ氏の発言に現れているのです。アメリカは、自らが世界のNo.1であるという余裕の上に、意識の高い優れた国であるかのように見せてきましたが、資本主義が脅かされて自らの利益に影響するとなるとあからさまに戦争でも何でも起こし、自国の権益を守ってきました。そこにアメリカの本質が観えはしませんか。
アメリカ人の中には、紳士であろうとする心と、その紳士の仮面の奥に自分たちがNo.1でなければ許さないという心があります。そこにトランプ氏が登場しました。彼がなぜ支持されるのかというと、アメリカ人が表に出さない本音の部分を語っているからです。
世論調査では、回答者の名前は表に出ません。そうすると、人々はそこでは本音を出せるのです。選挙も同じですね。記名するわけではありませんから、自分が誰に投票したかは他の人にはわかりません。トランプ氏が「尊敬する人物」だというのは、ある意味、アメリカの白人の本音の一端だと言えます。

ひろっち:
本音を代弁しているからこそ、めちゃくちゃなことを言っていても支持される。

いさどん:
そうです。アメリカの光と影が今、表に出てきたのです。トランプ氏はわかりやすいでしょう。
オバマ大統領はとても平和的な大統領として登場し、核をなくすと言っていましたが、実際には核はなくなっていません。それはなぜかと言うと、アメリカ国民全体の意志がそれを望んでいないからです。その代表の立場に立った時に、国民も、自らの背後にいるスポンサーも、本音ではそんなことは望んでいないので、それを実行できるわけがないのです。当選した時には平和的な大統領であったはずが、アメリカのつくってきた世界での立場や国民の意識の実態が観えてくると、結局は前の政権を受け継いで戦争を継続することになりました。
そこにスポンサーを持たず言いたいことが言えるトランプ氏が登場し、支持を集めました。彼は選挙でも善戦するでしょう。しかし、アメリカ人には利益よりもメンツを大事にするところがあります。ですから自分の本音を代弁してくれるトランプ氏のことは支持しても、いざ彼が大統領になったらとても品の悪い大統領としてアメリカの恥になりますから、最終的には彼を大統領として当選させることはないでしょう。もしも彼が大統領になったらアメリカの威信は失墜するということはわかっているでしょうから。

しかし、アメリカ人の本音を引き出したのはトランプ氏が初めてです。ですから今はアメリカ人の本質が観えているのです。周囲はトランプ氏の発言を彼の個性だとしていますが、彼は国民の本音を引き出しただけですよ。彼は時代を象徴しており、あれだけ極端な発言を繰り返しながらもここまで支持を集めているということは、白人の奥に隠されていた一面が現れているということです。これまでアメリカが世界の警察官だと言ってきたこと自体がまやかしであり、それが暴かれてきたということです。

では世界は次にどんなリーダーを求めるのか、どんな社会を求めるのかというと、今はそれが観えません。そこに便乗してプーチン大統領のロシアが台頭してきたり、中国が動き始めています。しかしそのどの国も、次の時代をリードすることはできないでしょう。番組内ではアメリカ、ロシア、中国が世界のトップリーグで競うようになると言っていましたが、冷戦の時に二極化していたものが三極になり、さらに多極化して混乱がますますひどくなることでしょう。片付け術の話と同じように、世の中が迷っているのです。
誰かを悪者にして「あいつが悪いんだ」と言っているうちはいいのです。しかしいざその「あいつ」が転落すると、あいつがいるから「あいつが悪いんだ」と言えていたのに、悪者がいなくなってしまったらいったい誰を悪者にしたらいいのだろう、悪いのは誰なのだろう、ということになります。そして結局は、みんな悪者だったというところに落ち着くかも。

みかこ:
そこは大事なポイントだよね。スケープゴートが必要なんだよ。

ともこ:
ある意味、アメリカという国は人類のカルマを引き受けているんだね。

いさどん:
そうですね。アメリカという国は上行菩薩の役割を果たしているとも言えます。
実はヒトラーも霊的には上行菩薩なのですよ。これはとても深い話です。アメリカもヒトラーも、他にその役割を代わって行える者がいないことを成し遂げたのです。その結果、社会は極端なところに行きつき、そこから自らの存在の可能性を知ることになるのです。
例えば安倍首相は自らの野心の上に一生懸命国を良くしようとしていますが、そこには国民にうけようとする心があります。ヒトラーは、国民にうけようとしたというよりも、自らの妄想の中に国民を巻き込んだのです。実際、戦争が終わった時に国民は自国が行ってきたことの実態を見て驚いているでしょう。ヒトラーは死を迎えた時に、難しい役割だったけれど何とかその役割を果たしたと思いながら旅立ったのではないかと僕は想像します。それに対してアメリカ国民も、アメリカ的価値観が終焉を迎えつつある今、その価値観の奥に秘められた負の部分を知ることになるのです。

民主主義は、一番支持を得た人がトップに立ちます。そしてそれが正義となります。マスコミもまた、多くの人にうけるような内容を報道します。その方が支持をされ、お金になるからです。自分でものを考えない人が増えればその方が簡単ですね。流した情報をそのまま信じてくれるのですから。かと言って、何でも疑って情報をねじって捉えるのが良いわけでもないですね。どのような情報であっても、時代を読んでいれば、たとえその情報が歪んでいようとも、その奥にある真実が観えるものです。

みかこ:
嘘と誠が混同されて報道されていく。そこに惑わされずに日々を淡々と過ごし、自分のやるべきことをやっていくということだと思う。こういった番組を観るのは、その視点を持つためのトレーニングになるね。

りょうちん:
イギリスのギャロップ社の世論調査によると、シリア国民の82%が「イスラム国はアメリカと外国が支援して作った組織である」と回答し、「外国人の勢力の介入が内戦を悪化させた」と回答した人が79%、アサド政権を支持する人が79%います。アメリカはアサド政権を悪者にして反政府軍を支援していますが、シリア国民からすると余計なことをしてくれていると思っているのではないでしょうか。番組では、アメリカ軍が中東から撤退して力の空白ができたことでISが生まれたかのように言われていましたが、そもそもテロリストを作っているのは誰なのか。そこに力の流れを感じます。

いさどん:
情報を受けて、思考がその情報に限定される必要はありません。こういった番組を観ても、番組が提供してくれた情報にただ反応するのではなく、その情報の奥にこれまで自分が捉えてきたこととは違う何かを感じ取り、そこに時代の流れを読み取った時、人は一歩成長します。情報を自分の知識として取り入れて満足したり、それが正しいと固定して捉えていては、今までの教育と同じです。今までの教育というのは、情報を受けて、どれだけそれを身に付けたかによって人の優劣が決まってきました。しかし本当は、その情報の奥の奥にあるものを見出して、智慧がその本質を読み解くことが大事なのです。それは菩薩の精神です。
近年の人類は、何かを企む心から現象の奥を見るということはあっても、多くはものごとを表面的に見て対応をしてきただけでした。しかし、現象の奥を観る客観的視点の、そのさらに奥を観る視点があるのです。

こういった映像を観ても、日本の多くの人は自分とは直接関係のない外国の出来事だと捉えるのではないでしょうか。しかしアメリカが起こす戦争の影には、それを支援する日本のお金や体制があります。我々が銀行に預けているお金がどこかの戦争の資金として運用されているということにも、多くの人が無自覚です。
今の映像を観て、観客になっていませんか。すべては自分に責任があるのですよ。自分はあの真っただ中にいる、それでいいのかと自問し、たとえ小さくとも明日からの自分の一歩が変われば、世界が変わっていくのです。
人としてこの時代に生まれてきて、どう生きていくのかは一人ひとりに責任があります。そこに気付き、一人ひとりが目覚めていくと、今世の中を操っている人たちがだんだん操りにくくなる社会ができていきます。逆に言うと、今は多くの人がスマホで馬鹿になり、インターネットで馬鹿になり、極端なことを言えば高学歴で馬鹿になっています。幸せや成功の価値観がすべて一方通行なのです。
本来、この世界はもっと多様であるべきです。日本はアメリカ的価値観に乗って一歩通行に歩んできましたが、今それがどういった企みの延長線上にあったかということが明るみに出てきています。自国の利益のために突き進んできたアメリカという国に加担して今の日本があるとしたら、私たちはここからどう進んでいくべきなのでしょうか。

りょうちん:
民主主義は国民に主権があると言いながら、国民に情報を与えず馬鹿にして操作する。それって選択させているようでいて、実際は選択なんてできていない。

いさどん:
人間の欲望を刺激し、利用して、支配するための体制とも言えますね。しかし、例えば北朝鮮が先日水爆実験をしたという時に北朝鮮の国民にインタビューをしたら、水爆実験は北朝鮮が世界で初めて行ったと言っていました。そのくらいあの国の国民には情報が届いていないのです。
民主主義の社会では、膨大な情報を国民は手に入れることができます。しかしその社会の人々は、その情報を正しくこなしているとは言えません。ある意味、その姿は欲望の虜になっているようなものです。それは、共産主義の理想社会を描く人から見ればとても乱れた自堕落な世界に映るでしょうね。そして今、世界中の人々が(共産主義、社会主義を問わず)その欲望を求めることに走っているのです。

ともこ:
アラブ諸国の民主化を「アラブの春」って言うでしょう。いかにもアラブにいいことが来たかのような表現だけど、実際はアラブの反欧米的な政権を倒すためにアメリカを始めとする欧米諸国が反乱を煽っていて、結果的にアラブ諸国にすごい混乱が起きたね。

いさどん:
「アラブの春」とは欧米が命名したもので、人々の欲望を抑えていたものが反乱によって壊されたということです。アメリカはアラブの春に期待していましたが、結局は民主化が定着したのはチュニジアだけでした。アメリカはアラブに「アメリカ的民主国家」を作ろうとしました。その方がアメリカの国益になるし、世界の皆さんもその方がいいでしょう、ということをアメリカは言っているのです。
しかし番組の中でも、「アメリカ的価値観を押し付けるのをもうやめなければいけない」ということが言われていましたね。アメリカは自由に発言ができて、何でも自由に手に入れることができて、地球上の人が皆アメリカ的価値観になれば幸せになれるとでも言うようにその価値観を広げてきましたが、現実のアメリカ社会を観てください。あんなにも貧富の差が生まれ、片付け術が大流行するほどモノがあふれています。地球上の人がすべてアメリカ人のような生き方をしたら地球が5.4個必要になると言われるほど、地球に負荷をかける生き方なのです。そういった答えが既に出ているのに、まだアメリカ的価値観を広めようとしています。そしてその価値観しか知らずに、自らの欲望に縛られている人々が世の中にたくさんいます。これからの時代は、その価値観から人々を解放する必要があるのです。
人々が自らの欲望から解放された時、我々はがんじがらめに縛られて生きているということが観えてきます。何に縛られているのかと言うと、過去から未来へ一方通行に流れる「時」に。そして生命としての自らの存在に。生命は水がなければ生きていけません。空気がなければ生きていけません。食べ物がなければ生きていけません。そして雄と雌がいてコミュニケーションを成立させなければ、種を存続することができないのです。
そういった無限な要素の連携があって初めて、私たちは命を健全に保つことができるのです。そこに、自我に囚われた意識で生きるということは、そういったこの世界の成立する根本体系から外れることになるのです。

自我の囚われから解放されると、我々はがんじがらめの世界で生きているということがわかります。そのがんじがらめの中にありながら、実はとても豊かで無限の世界にいるということがわかるのです。
民主主義であっても、共産主義であっても、それは人間が人間のために創った制度です。そこに自然や宇宙の法則は含まれていません。しかし、私たちの生きる地球や太陽系や宇宙の仕組みは、人間に関係なくすべて先にできていて、後から人間がそれに合わせて出てきたのですよ。そうしたら、人間がそこに合わせ、そことの整合性を取りながら社会を創っていけば、それは法則に沿ったものになりますから無理が生じません。そこでは人間の中の「自分が」という自我の心を優先する必要はないのです。それは人間が自我の境地を超えて、この世界を生きるとはどういうことなのかを悟るということです。

この番組はEU、ロシア、アメリカを取り上げた3回シリーズですが、番組を観ていて何か感じませんか?
文明周期説から観ても、太陽の螺旋運動の25800年の周期から観ても、冥王星が太陽の周りを1周する248年の周期から観ても、現代はいくつものターニングポイントを迎えています。我々はそのサイクルを知っているからこそ、今、イギリスに始まりアメリカによって拡大された価値観の賞味期限が切れようとしていることも、当然の時代の流れとして捉えることができます。

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しかし、番組に出て来る評論家たちにはそういった視点がないので、この問題をどう解決したらいいのか、これからアメリカはどういった行動をとるべきなのか、という議論に終始しています。アメリカは行動をとらなくていいのですよ。このまま収縮していくのが時代の流れなのですから。そして、収縮しても国がなくなるわけではありません。もしもアメリカという国に謙虚さが生まれたら、大変優れた国になるでしょう。傲慢だったから今のような状況になったのです。
ですから、今はアメリカにとってチャンスでもあるのですよ。そのチャンスを生かすには、今所有しているものを捨てることですが、今のアメリカはそれができず、過去の栄光を手放せずにいます。肥満になった人がなかなかスリムになれないようなものですね。だから片付け術が流行るのです。
しかし、時代は常に変化し続けています。ある時に正義だったものがある時には悪になり、そしてまた正義になるというように切り替わっていくのです。そして時代は人類が創っているのではありません。すべては宇宙の法則のままに、我々人類は時代の意志を請け負い、地球上に生まれ、表現しているだけなのです。そこに目覚めた時、人類はもうひとつ大きな視点に立つことができます。
そう言うと、「自分の考えを捨てなければいけないのですか?」と言う人がいますが、捨てていいのですよ。それを捨てて、もっと大きな、広い、高い意識にシフトし、それを自らの考えとして生きていけばいいのです。この世界を運営している法則のもとに自分たちがあり続けるということが理解できた時に初めて、地球生態系ネットワークを傷付けない、この世界の盟主としての人類の姿があるのです。

アメリカはひとつの時代を担った、それだけの大きなキャパを持つ国です。しかし大きなものが調子に乗ってさらに大きくなりすぎて、肥満大国になり、身動きが取れなくなってきました。冷戦時代に二つに分かれていた正義が、ソ連の崩壊によって一方が崩れアメリカが全面的に世界の正義の立場に立つこととなりましたが、アメリカ国民もどこかで自分たちの中に嘘があることを知っていたのではないでしょうか。それでも、自分たちが正義でありNo.1であるということに慣れてしまい、そこから外れることが許せないのです。
しかしいよいよ、その囚われから外れないとやっていけない時代が来ました。それはアメリカにとってチャンスですが、そのチャンスを活かさなければ、肥満からさらに生活習慣病の老人のようになってしまうことでしょう。ここまで世界に影響を及ぼすほど拡大したアメリカの意識を、自らのキャパの大きさを活かして本当に見直した時、アメリカは真に優れた国になれるのです。

そこで日本も、アメリカのポチのような立場から自立して、日本人が本来取るべき立場を取る時が来ています。しかし現状を観ると、国民がアベノミクスにつられて自民党に大量の議席数を与えた結果、安保法制が可決されました。国民の意思が反映されるのが民主主義だと言いますが、世論調査では安保法制に反対する人の方が多いのに、その法律が成立したのです。
安倍さんは、国民は今は嫌だと言っているけれど、実際にそれを進めていけばきっとそれが必要なことを理解する時が来ると言っています。それは、国民は愚かだから、この国を守ることの大事さをよくわからないのだと言っているようなものです。そして、そのうちに慣らされていくだろうということです。そんな安倍さんに代わる人材が今の日本にいるかと言うと、そういった人材は残念ながら見当たりませんね。
アメリカの大統領候補を見てください。やはり国を託せるような人材はいないでしょう。では世界にリーダーシップを取れる人材がいるかというと、やはり見当たりませんね。世界にリーダー不在の時代が訪れたのです。リーダーが不在だということは、庶民の目覚めの時代が来たということです。

今の世界情勢を観て憂鬱に思えることがありますが、憂鬱になるのはものごとを所有しているからです。宇宙の法則のもとに、時代は連綿と進化し続けています。今世界で起きていることは人類がやっているのではなく、星と星との関係によって時代が刻まれ、それが地球上の現象となって表現されているのであり、その中で私たちは、その宇宙劇場の役者なのです。
そんなふうにこの世界を捉えたら、今地球上で起きていることもすべて、「これは悲惨なことだ」というように感情に訴えて見るのではなく、客観的に捉えることができるはずです。そしてその宇宙物語の中での自らの立ち位置を知り、それにふさわしい役割を果たしていくことができるようになるのです。
もっとも、みんながそうなってしまったらつまらない世界かもしれないですね。わからない人々がいるからこそ、この世界はダイナミックなのですから。

時代はいくつものターニングポイントを迎え、いよいよ世の中が根底からひっくり返る時が来ています。ですから、今はそこから離れて全容を捉える視点が必要です。そうでなければ、自らも一緒にひっくり返ることでしょう。
これからの時代に求められるのは、今の世の中に通用している人材ではなく、まったく新しい価値観を持って次の時代を生きる人です。次の時代を生きるとは、近年人々が築いてきたモノカネに支えられた物理的豊かさや科学的真理を超えて、その奥にある価値観を捉えていくということであり、そのためには、自らの自我の囚われから二歩外に出ることです。客観的視点の奥にある時代の意志を受け取り、自我を超えて生きていくことです。

新しい価値観に人間がシフトすると、今の時代とは全く真逆の世界がそこに顕れるのです。

 

 


『シリーズ激動の世界』より ②大国復活の野望~プーチンの賭け

時代の転換期を迎え大きく揺れ動く世界の今を描くNHKスペシャル『シリーズ 激動の世界』。第1回『テロと難民~EU共同体の分断』に続いて、第2回『大国復活の野望~プーチンの賭け』を大人ミーティングで観ました。
一昨年クリミアを併合し、世界に衝撃を与えたロシア。プーチン大統領の強いリーダーシップのもと、混迷が続きアメリカが行き詰ったシリア情勢でも大規模な空爆に踏み切るなど、欧米とは一線を画した路線で存在感を際立たせています。ヨーロッパに自立を呼びかけ、アジアや中東で台頭する地域の大国とも連携して新たな国際秩序をつくり出そうとするロシアの今を描く番組から、何が観えるのか。ミーティングで話し合いが始まりました。

*番組の内容については下記をご参照ください。
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シリーズ 激動の世界
第2回『大国復活の野望~プーチンの賭け』より

いさどん:
これまでは、アメリカの思惑の上に世の中が動いてきました。ある意味、世界を資本主義の麻薬漬けにしてきたようなものです。ロシアは、それに待ったをかける役割を果たしているとも言えます。
プーチン大統領は、やはりロシアはロシアらしく生きるべきであり、アメリカにマインドコントロールされて使われているようではダメだと言っており、それはとても筋が通っています。ではロシアが世界を次の時代へと導くかと言うと、そうではないですね。ロシアは、アメリカのこれまでのやり方が世界に様々な問題をもたらしたと言って対抗していますが、その問題に対する解決策を提示しているかというと、ロシアもまたアメリカと同じように、今までの時代の延長にことを考えているのです。
今のロシアは共産主義から離れて、ナショナリズムが台頭してきています。

みちよ:
プーチン大統領はヨーロッパに対して、アメリカから自立するべきだと呼びかけていました。フランスなどで極右政党が台頭してきたのも、そういった流れの中にあると思います。

いさどん:

そんなに簡単に物事をくっつけて考えてはいけませんよ。昨日観た第1回(『テロと難民~EU共同体の分断』)にあったように、フランスで極右政党が台頭してきたり、ドイツで極右でもない人が移民を排斥しようとしている動きがありますが、その流れとロシアの流れが一致しているかどうかはわかりません。フランスの極右政党とロシアは互いのニーズが合って近付いたかもしれませんが、では同じ流れにあるのかと言ったら、それぞれに思惑があってお互いを利用しようとしているだけのことで、フランスでの極右政党の台頭がロシアと絡んでいるとは限らないのです。
物事を正しく考えるためには、まず情報を正確に捉える必要があります。安易な発言をして、ものを考えない人たちがそれを聞くと、間違った情報でもそれがそのまま事実となっておかしな方向へ進んでしまうのです。ですから自分の発言の内容を吟味しなければいけません。

ソビエト崩壊後、アメリカの影響で市場経済化を進めたロシアは一時期大混乱に陥りました。番組には、プーチン大統領を支援する「謎の実業家」という人物が登場しますが、当初はアメリカの自由な民主主義に大きな魅力を感じていたその実業家も、厳しい現実を目の当たりにして、結局アメリカは自分たちの利益のためにロシアを利用したのだと失望したと語っていました。そういった背景があって今の彼の行動につながっているわけですが、この番組では彼は悪者のように描かれています。そもそも『大国復活の野望』というタイトル自体が、すでに西側の視点に偏っていますね。
しかし、タイトルは西側寄りでも内容はそうとは限りません。ロシア側の世界観から見た正当性も引き出されており、自分をフリーな状態にして世界を観るには貴重な資料となる番組です。西側の視点から今のロシアを見れば、まるで破壊者が現れたようにも捉えられるのでしょうが、ロシア側からしてみれば、ソビエト時代からずっと今に至る歴史の中でアメリカはまったくロシアのためにならないということがわかり、自分たちは自分たちのやるべきことをやるのだと気付いて今の状態があるのです。

あわちゃん:
世の中にたくさんの情報があって、それぞれの情報がどこから来ているのかもわからない中で、捉え方はいろいろあると思うんですけど、やっぱり広い視点に出会うとワクワクします。今のロシアも、広い視点で観たら役割を果たしているんだなと思うんです。時代がターニングポイントを迎える中でアメリカの力が弱まってきて、その中でロシアという国が台頭してきて、混沌としていくのが今の時代の流れなのかな、と。そう思うと、プーチンさんが言うこともこれまでの時代の価値観の延長で、混沌とすればするほど、次の時代に向けて目覚めようとする力が強まっていくのだろうし、すべてはそこに向かう過程なのだろうと思います。そんなふうに捉えるとすごくおもしろい。

ともこ:
例えばキューバのカストロ議長やベネズエラのチャベス大統領、シリアのアサド政権やイラクのフセイン政権など、アメリカに対抗するものは常にネガティブに描かれる一方的な視点が、日本のマスコミのベースになっているよね。ただ、それって一方的な価値観だよねと言うだけでは、それもまた一方の価値観に対するアンチ的な発言でしかなくて、大事なのは、そういったものもすべて含めてもっと長いスパンで歴史を追って時代の流れを観て、自分たちの立ち位置を知ることだと思う。中国やロシアが「かつてここは自分たちの領土だった」と言うのも、自分という立場から短いスパンで区切って都合のいいように歴史を捉えているわけで、もっと大きな流れから捉える視点が今の世の中に欠けている。

いさどん:
今、世界中が混乱の極みを迎えています。人々は自分たちのアイデンティティがどうのと言って争っていますが、アイデンティティというのは個々が自分に執着している時に生まれるものであって、では地球人のアイデンティティはどこにあるのか、ということをこれからは考えていくべきでしょう。国家や個人という狭いものを基準にするから、今のような状態になるのですよ。
この番組に限らず、昨年は戦後70年ということで歴史を振り返る様々な番組がありましたが、多くが西側寄りの視点で描かれています。いくら安倍首相を批判していても、やはりその視点も西側寄りなのです。その視点を突破しない限り、こういった報道が問題の解決のきっかけになることはできないのです。

今の社会の体制は、イギリス産業革命以降の250年間の価値観がベースになっています。しかし2012年12月21日に銀河の冬至を迎え、25800年ぶりのターニングポイントを迎えたということは、これまでとはまったく違う価値観を、時代は人類に求めているのです。
ロシアは、ソビエト連邦を崩壊させました。共産主義から発展した社会主義の崩壊です。それは共産主義や社会主義が悪いのではなく、それをリードした指導者たちの官僚体制の腐敗であったり、そこを構成した民衆が未熟であったということに原因があります。一人ひとりの人間の質を上げずに制度だけを重視しては、結局はその制度自体が、民衆一人ひとりの質の低さによって壊れていくのです。そしてそれは順番に起きているだけのことで、共産主義が崩壊したら、今度は民主主義に同じことが起きています。
アメリカという国は自由と物理的豊かさを正義として人々の欲をくすぐり、追随させてきましたが、その賞味期限も今、切れようとしています。もしくは宇宙的には、すでにアメリカの賞味期限は切れています。それなのに、なぜまだその偏った価値観を維持し続けようとするのでしょう。

番組では、これからは世界一の軍事力と経済力を持つアメリカと、同じく軍事力と経済力を持つ中国、そして経済力はないけれど軍備は整っているロシアの3つの大国が競い合うことになるだろうと予想されていました。ロシアはアメリカと違い、議会の承認を得なくても即対応ができる決断力があり、お金がなくてもどこか魅力があるでしょう。民族主義が台頭してくると、お金の損得勘定は抜きになってくるのです。それが今のロシアの国の体制です。
ただ、プーチン大統領はアメリカに対抗して今の立場を取っていますが、逆に言うと、プーチン大統領もアメリカと同じように力でリーダシップを取るこれまでのやり方で、強いロシアになろうとしています。しかし、これからはそういった軍事力や経済力などの力で世界をリードする国は、いらないのです。

こうちゃん:
どの国も軍事力や経済力などの力を持っていることが大国の条件になっている。力で世界を支配しようとするのが今の世の中だけど、平和は力の駆け引きで実現するものじゃなくて、視点をもうひとつ上にあげることでもたらされるものでしょう。

いさどん:
戦後に生まれた新たな秩序は、70年前の大戦の結果もたらされた力によって構築されたものでした。今はそれを卒業できるかどうかという時です。それを現代人の視点から単純に考えると、不可能にも思えます。なぜかと言うと、新たな価値観に出会った時に、例えば30年間生きてきた人なら「今まで30年間生きてきてそんなことはなかったじゃないか」と思うものです。60年生きてきた人なら「60年生きてきてそんなことはなかった」と思うのです。
しかしその視点は、あまりにもスケールが小さなものです。太陽が2億2600万年をかけて銀河の中心を周りながら約9000回の螺旋を描く、そのたった1螺旋の25800年から観ても、60年の人生などほんの最近のことなのですよ。そういったことを理解することが、世界観を広げ、時代を読み解く力を身に付けることとなるのです。

2月14日から「1ヶ月間の真学校」が始まります。そこで受講生たちに何を伝えるかというと、新しい秩序です。真学校を受ける人々は、今の社会の秩序に対して何らかの疑問を感じています。疑問を感じながらその秩序の中で生きようとしても、心の中はずっともやもやし続けるのです。その時に、すべてをひっくり返すような、「ああこれだ!」という青天の霹靂のような視点に出会って初めて、本当に晴れ晴れと胸を張って毎日を生きられるようになります。そして真学校を受講した人々がそういったものを得て、卒業後もその延長線上に生きることが、世直しとなっていくのです。

しゅうご:
僕ら若い世代が次の時代を創っていくのが大事だということを強く感じてます。そして次の子どもたちにつないでいくんだ、と。

いさどん:
番組でロシアの大学生が話し合っていましたね。どういう基準で選ばれた学生たちかはわかりませんが、少なくともあの番組に出ていた学生たちには、国家というものに対する意識が強くありました。それは、少し前に国家が一度破たんしたからです。
日本は平和ボケをしていて、最近ではSEALDsのように安保法案に反対する学生の運動も起きていますが、それも裏に民主党や共産党の影があり、若者が本当の意味で自立していません。安保法制は戦争法案だ、自分たちは戦争をしたくないというのですが、誰が好んで戦争をしたがるでしょう。自民党も戦争をしたくないからこそ、彼らなりに戦争を回避するために安保法制を成立させたのです。今の日本の世論の現状は、そういった個人の損得の意識の延長線上にあるのです。
先ほど僕はみちよちゃんのコメントを訂正し、物事を正しく考えるには情報を正確に捉える必要があることを話しましたね。これも同じで、実態の伴わない思惑がらみの議論が膨らんでいくと、話が本質からずれていきます。先の大戦を経験した日本は、誰もが戦争をしたくないのが本音です。安倍さんは装備も持ちたくないし戦争もしたくないから、アメリカのポチになっているのです。それを見てプーチン大統領が、日本との北方領土の問題を解決する気にはなれないでしょう。世界の国々の現状は、そういった思惑の中で駆け引きが行われているのです。

みき:
話を聞いていて、個人も国家も同じだなと思った。今は多くの人が自分だけを大事にしたり、自分の国だけを大事にしているけれど、ここでは個よりも全体のために生きることを大切にしている。そうすると、逆に個が活かされていくんだよね。

いさどん:
それは、そういったことがわかった人の論理です。オバマ大統領でもプーチン大統領でもその話を聞けば「そうだね」となりそうなものですが、なりません。それは何故かと言うと、背後にあるたくさんのエゴによって、その人々はその地位を保たれているからです。彼らはエゴの代表になっているのです。それこそが、次の時代につなぐ前の究極の混乱の姿だと思います。
例えばゴルバチョフ元大統領は、国を解体させたということで国内では評判が悪いのですが、彼はその後、自分は自らのやりたいことをやったのではなく、時代の流れに呑まれて思うようにならなかったということを語っていました。今、プーチン大統領もオバマ大統領も一生懸命やっていますが、彼らもまた、それぞれの思惑のようには事は成りません。なぜならロシアやアメリカの体制は終わりを迎える時代の流れの中にあるからです。
それに対して木の花ファミリーの生き方は、小さいけれど新たな時代の受け皿としての芽が出てきたということであり、これから伸びていく流れの中にあります。

ともこ:
さっきの、これからの世界をリードしていくところの中に名前を入れられるね。アメリカ、中国、ロシア、木の花!(笑)

いさどん:
いや、それは入れられません。入れるとしたら「日本」ですね。なぜかと言うと木の花は土俵が違うからです。江戸時代の価値観と今の価値観が違うようなものです。
ロシアのプーチン大統領は「もう1度世界のリーダーの座を取り戻す」と言いました。それはこれまでと同じ価値観の延長線上に「取り戻す」ということで、新しい時代のリーダーになるという意味ではありません。昔を懐かしんで復活させようということですから、それでは古いのです。自分たちもどこかでそれを知っているはずです。

ともこ:
確かに。ただ、アメリカでも日本でも、政治家は国民の欲望を叶えることで支持を得ようとするけれど、プーチン大統領は国民に向けて、「皆さんの不安は承知しているし状況は厳しいが、乗り越えられないものではない」と言って、個々の欲を叶えるよりも団結することを促してたね。

いさどん:
それは国の指導者としては上手な呼びかけです。アメリカや日本のように、国民の欲望を叶えることでゴマをするのではなく、我慢するべきところは我慢をしようと言っているのですから、これが本当の指導者だと思います。

こうちゃん:
でも結局はプーチン大統領の言うことも、厳しい状況を乗り越えたら豊かになりますよという意味が含まれているでしょう。

いさどん:
アメリカでも、世界のリーダーであるために、9.11の後には個々の主張を差し置いて皆で団結しようという機運がありましたね。その他の場面でも、国益にならないことはやめようといって意見を統一するところがアメリカにはあります。
しかし、今の日本にはそういったまとまるという意識がありません。何しろ利益ばかりを考えて国が動いています。マクドナルドに大和魂を売ったようなものです。プーチン大統領は、マクドナルドにロシア魂は売らないと言っています。ロシアは国内のマクドナルドを営業停止にしたり、遺伝子組み換え食品の栽培や輸入を禁じたりして、アメリカの大資本に追随しない選択をしており、それはとても筋が通っています。しかしそれもロシア流の覇権の延長線上にあることで、今はアメリカを見てそれを感じ、その矛盾を突いていますが、ひとたび支配する側になればロシアもアメリカと同じことをやるでしょう。
今のロシアは、新しい時代を切り開くものではありませんが、古い時代を終わらせる力にはなっていくのでしょう。

bunmeishuukisetsu

みかこ:
文明周期説では800年ごとに東西の文明の盛衰が入れ替わるけど、ロシアは西洋なのか東洋なのかという話があります。

ともこ:

名古屋みたいなものだね。関東なのか関西なのか、どっち!?みたいな(笑)。

いさどん:

ロシアはヨーロッパとアジアの中間だねとみかちゃんと話していました。

みかこ:
ロシアはロシアだというアイデンティティを今は出そうとしているのかな、と。

ともこ:
名古屋は名古屋だ!と(笑)。

みかこ:

歴史をそうやって見ていくと面白い。2000年で東西の盛衰が入れ替わり、今西洋文明は衰退の流れに入っているけれど、下火になったものというのは断末魔の大暴れをするでしょう。西洋は今それをやっているんじゃないかな。2001年に同時多発テロがあって、最後のあがきのような動きが始まったでしょう。
おもしろいのは、冥王星が海王星の軌道の中に入っていたのが1979年から1999年までなの。冥王星は破壊と創造の星だから、それが外に出たところで同時多発テロが始まったという、まさに星の巡りと地上の動きが一致してるんだよ。

いさどん:

ロシアは東洋でも西洋でもなく、今中間的な役割をしています。つまり、イギリスやアメリカが築いてきた古い時代の流れを壊す側でありながら、それを受けてまた同じことをやろうとしている立場だということです。
先日ムルンくんが面白いことを言っていましたね。習近平はあと2年で本領を発揮するだろうと。今は世界の中で確固たる地位を築くためにああいった姿勢を取っていますが、本来彼はとても歴史に関心があり、アジアの精神をいずれ中国に復活させるだろうと言うのです。中国のような歴史的にも複雑な国は、ある程度強引な指導者でないとまとめきれないのです。中国の現状はある意味、共産主義体制の独裁国家ですから、プーチン政権よりもさらに長持ちするかもしれません。アジアがこれからどう様変わりしていくかは、大変おもしろいところです。

次の時代へ進むためには、国家を超えた世界観を持つことです。地球はひとつのコミュニティであるという意識を持たないと、それはできません。「あなたは何人ですか?」と聞くと「日本人です」とか「ロシア人です」という回答は返ってきますが、「地球人です」と答える人はなかなかいないですね。そこが今の人間の限界です。まだ宇宙意識どころか地球意識も持っていません。
1ヶ月間の真学校で提供していくのは、固定された情報ではなく、新たに湧き出してくるものです。どこにも囚われない広い世界観をどんどん提供していくことによって、受講生たちがその刺激を受けて、自らの中にある宇宙観に目覚めていくことを促します。生命である限り、誰の中にもその宇宙観があります。なぜなら我々はその宇宙の中の一部だからです。
そこにチューニングできるかどうか。そのために自らの脳の構造のどの部分に意識を合わせ、使うか、というだけのことなのです。

今日、ケア滞在中のNくんに話をしましたが、病気を改善するためには自らと向き合うことが大切で、まずはそれにふさわしい環境を与えられてアドバイスを受け取りながら進んでいけばいいのです。しかしその次に、どう人生を生きていくかという段階になったら、自立して、自らの意志で考え選択していく必要があります。それをしないと、ここにいる間は病気が良くなっても、環境が変わればまた元へ戻ってしまうのです。
自立して考えるべきだという点では、プーチン大統領の言っていることと一致しています。

あわちゃん:
おもしろいのは、僕たちが今やろうとしている自立というのは、プーチンさんが言う自立とはたぶん違うんじゃないかということ。時代が切り替わる時に、僕たちは今ここで瞬間瞬間次の世界を創り出していて、真の自立というのも、今自分たちが思っているものを手放した結果あるものだから、そういう意味で誰も知らない、新しい自立というのがあるんじゃないか。プーチンさんが言っているのは既存の自立で、間違ってはいないけれど、そのさらに先の世界があるんじゃないかと思うんです。

いさどん:
本当の自立というのは、目覚めた者たちがネットワークしていくことであり、それは実はものすごく古い話です。宇宙が始まって以来、すべてのものが個性を与えられながらネットワークしていくことで宇宙ができてきたのですから。そこには絶対なる中心がいて、絶対なる端っこがいるのですが、そのどちらも平等に主役なのです。
神様が「自分がこの世界の中心だ!」と言っていばったとしても、周りに「そうですね」というものたちがいなければ神様もしょげちゃいますよ。例えば口が「これが俺だ!」といばったとして、じゃあそこで一人でしゃべってなさいと言って口だけ取り出して入れ歯みたいにその辺でしゃべっていてもしょうがないでしょう。(みんな:笑)やはり手があり、足りなくても髪の毛があり(みんな:爆笑)、みんなつながって全体でバランスが取れているから口がしゃべれるのであって、口も全体を代表してしゃべっているのです。つまり全細胞がそう思うから、口が代表してしゃべっているということですよ。その全細胞を意識するということです。そうしたら、足の爪のアカだって、水虫だって、全部同じ気持ちになるんじゃないですか!(みんな:拍手!)

ともこ:
そうだよね。ロシアだってアメリカだって同じ体の一部なんだよね。

いさどん:
そう。いがみ合っていること自体が幼稚なのです。人類が宇宙視点に立つスタートの年は始まっているのですよ!

ようこ:
3日間ここに滞在して今日帰った(アメリカ人の)エリーは、7年間ライム病に苦しんでいたそうです。それが日本に来て、さらに木の花に来たら症状がどんどん改善してきたと言っていました。それだけではなく、ここにいると天からのビジョンがどんどん降りてくる、とも話していました。ロシアやアメリカの話があったけれど、もしここが木の花国という国だったら、ここに来れば人の病は治るわ天からの叡智は降りて来るわで、ある機関からしたらこんなに脅威の存在はないよね。

いさどん:
こういった存在が台頭してくることを脅威に思う機関があったとしても、その機関が時代を止めることはできません。昔ユダヤの民が台頭したのも時代の流れなら、今の動きも時代の流れで、誰も止めることはできないのです。古いものに執着していては、その流れにサッと乗ることはできません。
これまでの世の中をリードしてきた政治でも経済でもテクノロジーでも、どれだけ良い国を創ろうとしてやってきたものであったとしても、時代が変わる時には古くなるのです。それを読み、サッと捨てていく、その潔さが今最も求められています。そういった心を所有しない姿勢が、新たに来る宇宙時代を生きる人類には必要となるのです。

 

 


『シリーズ激動の世界』より ①テロと難民~EU共同体の分断

大人ミーティングにて、NHKスペシャル『シリーズ 激動の世界』を観ました。『シリーズ 激動の世界』は、大きな時代の転換期を迎え混沌とする世界の現状を映し出す、全3回のシリーズです。番組から観えて来る世界の今を、宇宙視点で観てみました!
第1回のテーマは『テロと難民~EU共同体の分断~』。EU(ヨーロッパ連合)は、国境をなくし、人やお金の移動を自由にすることで平和で豊かな共同体を築こうという理想のもとに設立されましたが、とどまることのない中東からの難民の受け入れを巡って各国の意見が対立し、今、分断の危機に直面しています。パリ同時多発テロ以降各国でナショナリズムが台頭し、統合の理念が大きく揺らぐ中、専門家は「EUが寄せ木細工のもろさを持つことをISがよく知っていた」と分析します。
番組の鑑賞後、いさどんは以下のように語りました。

『シリーズ激動の世界』公式ホームページ

 

シリーズ 激動の世界
第1回『テロと難民~EU共同体の分断~』より

いさどん:
これは、NHKスペシャルの3回シリーズの1回目です。今の世界情勢を観るのにとてもいい材料ですね。今はインターネットなどを通して様々な情報がグローバル化されていますが、そういった時代だからこそ、情報は有効に生かすべきものだと考えます。
今の地球の問題をどう考えていくのか。これからの時代は、地球に暮らす人間一人ひとりに責任があるということです。

今、EUが共同体としての概念を問われています。番組では、中東からの難民問題をめぐってEUが分断しつつある実態が描かれていました。それは共産主義が崩壊したのと同じ仕組みです。一人ひとりの人間の意識を高めることをせずに制度だけを作っても、その一つの制度の中に位置する一人ひとりが、共同体の内部に発生する格差に不満を持てば、結局はその体制を維持することは難しくなるのです。
しかし、人にはそれぞれに個性があり、能力自体に格差があります。それをみんな一律にしてしまったら、自然界の生き物ではありません。それは、人間が作る自動車の部品のようなものです。そんな世界は、本来の生命の世界ではないのです。

番組では、難民問題を巡り、アイデンティティについて語られていました。アイデンティティとは、自分が自分であるということの意味です。
一人ひとりが自分らしく生きられる社会は優れた社会ですが、それぞれが自分だけの幸せを求めてそれが渦となれば、この世界に混乱をもたらします。今の時代は、イギリスの産業革命に始まり、それがアメリカに受け継がれて250年間続いた、経済力で豊かさを享受しようとする世界がピークを迎えた状態です。宇宙的にはそのサイクルは終わりを告げています。星と星の関係で地球上の時代のサイクルは決まっており、宇宙的には終わっているのですが、人間の世界にそれが表現されるまでには少し時間差があります。その延長に、人間の世界は今、ピークを迎えているのです。そしてそのピークを迎えているということは、新たな時代の手前にいるということでもあるのです。

現在のEUの状態は、これまでの人道支援のような考え方でやっている限りは、解決しません。この番組を観ても、世界はその解決策を見出せず、困惑しているでしょう。
その混乱につけ込み、共産主義であった国が自分たちの国威を高めて、かつてのような世界に影響力のある立場を取り戻そうとしています。どの国の背後にも、自らの国の利益を最優先にし、主義主張を押し通そうとする姿勢があからさまに観えてきます。自分たちの国は自分たちのためにあるのだというのです。それは、差別化と富の奪い合いによってたどり着いた豊かさの結果です。
しかし、そういった世界の現状を振り返らず、今までと同じ姿勢をまだやり続けようとして、日本では、相変わらず経済成長を最優先とすることが国の方針となっています。そこで格差が生まれれば、今度は社会福祉で埋め合わせると言うのです。そのような対処療法一辺倒では、いつまで経っても、矛盾を生み出す社会の根本的な解決にはならないのです。EUで起きている社会矛盾も同じ性質のものです。では、そのような矛盾のない世界をどうやって創ったらいいのかと考えると、これまでとは違う価値観のもとに、人々が生きる目的を持つということです。それは人々に地球に生きることの意味として、覚醒をもたらすようなものでなければなりません。

私たちはこの生活を通して、時代の性質を知り、そのサイクルの中に歴史が表現されていることを知りました。人間が地球上に歴史を作っているのではなく、宇宙の仕組みが地球上に歴史を刻んでいるのです。そういったことを意識しながら、時代が切り替えられる時の役割としてこの生活があるということも知ってきました。
私たちは、過去の人間がやってきたような、自我を満たすための生活を目標としているのではないことは確かです。

今年になって、北朝鮮の核実験やイランとサウジアラビアなどの対立が新たに激化し、ヨーロッパにも大混乱が起きています。そういった様々な矛盾が、一人ひとりの身近なところから地球規模のものまで、世界中で吹き出し始めました。その現状に対する根本的な原因の探求がないままに、いくら表面的な対策を掲げても、さらなる矛盾のエネルギー源となるだけなのです。そういった中では、地球規模の生態系や、矛盾の発生源となる人類の共同体としての体制は、崩壊の方向に進むだけなのです。ここでもエコビレッジを創るための学びを提供してきましたが、知識的に学ぶだけでは、共同体として成り立つ実践にはつながりません。なぜなら、大切なのは知識ではなく、そこに参加する人一人ひとりの質が求められるからです。
人の質ということで言えば、木の花ファミリーもまだまだ途上です。自分の意識と向き合い切れていないのですから。しかし我々は、今の時代がどういったプロセスの延長線上にあり、現状がどこにあって、そこで自分というものがどういった意識を持ってこの生活をしていて、これからどうあるべきなのかということをわかった者として、この生活をしています。

そして今日、この番組を観ました。これは3回シリーズの第1回で、第2回は『大国復活の野望~プーチンの賭け』、第3回は『揺れる“超大国”アメリカはどこへ』となっています。ヨーロッパ産業革命以降、それを受け継いだアメリカがその物質偏重型文明を極めた後に、どういった時代が地球上に来るべきなのでしょう。

現代社会には病気が蔓延し、医療は大きく発展しました。病気が蔓延することによって莫大な経済効果がもたらされたのです。しかし、そのような世界では、医療を極めて病気をなくしていくことはできません。なぜなら、医療を経済効果とするような人間の性質自体が矛盾となり、病気の発生源とまでなっているからです。代替療法であっても、健康食品であっても、すべて病んだ社会に寄生して成り立っているのです。そもそもそういった矛盾の発生源がない世界を創る必要があります。それが次の世界のイメージです。

今の世界の主流となっている価値観は、ヨーロッパが発生源となり、アメリカで拡大され、世界中がそれに追随して、「負(足りないという心)」を満たすことの延長線上に経済を大きくし豊かさを求めるものでした。それが社会に矛盾を発生させ、その矛盾が維持されて拡大されてきたのです。そして、その常に不足感を持ち渇望する精神状態によって、富む者と貧しいものの二極化が極端に進んできました。その両者は、どちらも貧しい世界に現れる性質のものです。なぜなら、富を得た者も、他者の「負」によって富を得たのですから、そういった者たちの精神構造もまた「負」なのです。つまり「負」によってこの世界が成り立っているのです。

250年前のヨーロッパ産業革命から始まった、プラス偏重型の西洋的価値観がピークを迎えました。宇宙は必ず±0に戻る仕組みになっています。ですから、拡大すれば収縮する力が働くようになっています。現代は矛盾の極みに達し、その切り替え時に来ているのですが、その宇宙的構造に無知な者たちが、収縮させる力への対策として、さらなる拡大を推し進めようとしています。それが今の社会の実態であり、その結果、さらに地球上に矛盾が発生し広がっていくのです。
先日、COP21(気候変動枠組み条約第21回締約国会議)で世界中の国々が集まり、地球温暖化対策について話し合っていましたね。そこではCO2をどう削減していくかということを話し合っていたのですが、削減の話をする前に、なぜ人類はここまでの事態を迎えたのかを問わなければ、地球上にさらなる汚染を発生させることの根本的な解決にはなりません。そこで、そういった汚染の発生源となる人類の意識を何も問わないで、いくら削減のための新たな取り組みについて話し合っても、新たなテクノロジーが次の経済効果の種になるだけなのです。そして新たなテクノロジーは、人間の欲望をさらに刺激していくのです。
自然界には、それぞれの生命にふさわしいポジションがあります。そういったことを表す精神として、日本では、「足るを知る」という言葉があります。その精神位置に人々を誘導し、欲望から解放しない限り、この問題の根本的な解決はありません。ところが、今の人類がそのことに気付いて自らの方向性を変えるきっかけとする動きがあるかというと、はなはだ心細い限りです。結局、現代の人々は問題ごとの発生源を内に観ようとせず、外に起きる現象の対策に翻弄されている状態なのです。それは表面上の対策をしているだけで、問題がさらに増幅していくばかりです。それは、現状の延長にいずれどこかでピークを迎え、切り替えることが求められるのです。

僕はこの番組を観ていて、ヨーロッパの理想は仲良しコミュニティを創ってみんなでいい思いをしようというものだったのだと思いました。どこかのエコビレッジ運動と同じです。しかし、共同体の本質とは、持続可能であるということです。私たちの社会は、地球生態系ネットワークの中にあり、自然と共生する大前提のもとに維持されています。それを最優先にしない人々の欲望偏重型の共同体は、その大小を問わず、持続不可能となるのが宇宙の仕組みなのです。人や国の質を問うことなしに、本物の共同体はできません。あるいは、矛盾を抱えたままで、持続可能であるかのように存在し続けるのです。それは自然界にはない、人工の世界だけにあることなのです。
ここで言う質とは、機械の部品のような一律の質ではありません。それは、自らの本質が何者であるかを知り、自らが構成する全体にとってどのようなポジションに位置し、どのような役割を担っているかを理解して、そのポジションを生かしあってネットワークすることによってできる、もう一つ大きな世界を創造していることを認識している者のことを指します。それは、今ヨーロッパの国々が自己主張のもとに模索している解決策とは違う結果をもたらします。

番組の中で、ドイツの人々が「ドイツ国民は我々であり、移民たちはドイツ人ではない」と訴えていましたね。では本当のドイツ人はドイツなんだ!(チーン♪)まぁそれはいいとして、ではその人たちはいつからドイツ人になったのでしょう。地球に生命が誕生してから三十数億年の歴史があり、人類が誕生してから数百万年の歴史があるとして、その中でどれほどの期間、彼らの民族はドイツに暮らしてきたのか。そう考えると、ドイツ人が「私はドイツ人だ」と言う意識は、とても世界観が狭いものなのです。それは、今回生を受けて生まれた場所がたまたまドイツだったというだけのことです。

そういった広い世界を意識して毎日を生きたら、今のヨーロッパの混乱のようなことは起きないでしょう。あの悲惨な第一次世界大戦、第二次世界大戦の戦場となった苦い体験から、もっと開放されたみんなの家を作りましょうということでEUは始まりましたが、この混乱は、個人個人が自分というものの意識を高めずに仲良しグループを作っても結局はうまくいかないということを表しています。そして、その未熟な状態につけ込む者も出てくるのです。
昨年のギリシャの財政危機騒動の時に、僕はEUの真価が問われる時が来たねと言いました。今のEUは、同じユーロという通貨を持ちながらも結局は台所が別々になっています。通貨が同じなら、管轄する台所も一つにすればいいのです。そうすれば国家間の差がなくなります。しかしEU23年の歴史の中で国と国との貧富の差が生まれ、そしてその差は、国境によって守られるようになっているのです。
ドイツがギリシャにたくさんの資金提供をしてきましたが、それはEU統合の結果、勤勉で金融システムによって多額の富を得たドイツと、ギリシャという奔放で気位が高くお金にだらしのない国が共同体の中にあり、そこで高いところから低いところへ川のように資金が流れただけのことなのです。それを、EU全体のこととして、ひとつの経済圏の循環の中にあると認識すれば、一部の地域(ギリシャ)の問題は解決されることなのです。今回の出来事は、そのような認識のもとに意識レベルを上げ、新たな時代の地球統合に向けたモデルとなるチャンスであったのに、EUの人々にそういった意識は生まれず、時代を逆行する現象が矛盾として吹き出しました。

文明周期説から観ると、人類の歴史では800年ごとに東西の文明の盛衰が入れ替わり、その入れ替わりの時には必ず世界動乱や民族の大移動が起きています。そのターニングポイントである今、シリアからヨーロッパへ何百万人という難民が大移動をしています。

bunmeishuukisetsu

歴史は時代の流れを物語っており、それは宇宙の星と星との関係から生み出されています。我々は本来、その宇宙の星と星の関係(天意)を意識して在るべきなのです。それは人間が天文学のように星の動きを調べて地球上の文化を創るということではありません。星と星との関係がターニングポイントを迎えると、それまであった地球上の文明が衰退し、新しいものに切り替わるのです。それは、人間に自然と湧き出してくるものです。
我々は、そういった自然や宇宙の意志を受けて歴史を刻んできています。21世紀に入って、人類にそのことがわかる時代が訪れたのです。

これから、さらに世界中に大動乱が起きることでしょう。それは単に恐怖を煽って人の意識を引き付けようとしているのではなく、事実として、この250年間続いた物質的欲望による文明は切り替わる時が来ているのです。今、それに代わる回答が、ここにあることを僕は確信しています。
今、世界の行き詰まりの話をしていますが、一人ひとりの小さな行き詰まりも同じことです。その行き詰まりを突破するには、自分と向き合うことです。それは、自分というものが既製品化されるのではなく、世界中にたくさん人がいる中で過去にも現在にも未来にもたった一人しかいない自分とは何者なのかを知り、その自分のもっともふさわしい立場にパズルのピースとしてしっかりはまって役割を果たし、生き生き生きるということです。そういう時代が来るということです。それは、自分を一番大切にする生き方です。

自然界のものは、そのものにふさわしいポジションでそれぞれがしっかりと役割を果たし、この世界を維持しています。しかし今の人間は、人工的に作られた世界の欲望に翻弄されているのです。本当の意味で生命として輝き、本当の意味で自分という個性を生かし切る。それが本当の生きている姿です。
僕はそのことに気付き、それを表現するためにこの生き方をしてきたのだと思いました。そしてそこに惹かれる者たちが、それを表現するためにここに集まってきたのだと思うと、心が言いようのない状態になるのです。これは大切なことをやっているのだ、と自覚するのです。

今、僕はこの状態で、霊的には世界に呼びかけています。宇宙に発信しています。しかし、物理的な現場としては木の花ファミリーにいて、そこに集った人たちに呼びかけています。つまり発信源として、ここの人たちを通し、宇宙に呼びかけているのです。
それは一人の意志ではなく、みんなでネットワークすることでより巨大なものになっていきます。それが、物理的にこの世界を創ってきた仕組みです。近代、人間の意識が地球の環境や社会の構造に影響を与え、創ってきました。それと同じように、人間がここまではびこる以前には、他の生命たちが地球の環境を創ってきたのです。
他の星を見てください。生命がいないから、意志表示もなく、変化もしないでしょう。地球だけがそれができる星なのです。そして我々人間は、もっともその力を発揮できる能力を与えられています。今世界が激動を迎えていることが問題なのかと言ったら、その能力を表現するためのダイナミックな場所を与えられているとも言えるのです。

これは本来、欧州議会で語るべき話ですが、それはもう少し先になるでしょう。その役割を誰がするかはわかりませんが、この意識は必ず受け継がれ、西暦3000年まではそれがベースとなっていきます。
簡単な話でしょう。あなたたちの国は地球なのです。そしてあなたは、その地球の細胞なのです。あなたの体を見てください。細胞が集まって、例えば右腕ができた、左腕ができた、それぞれの内臓ができたというのは、地球上で言ったら国家のようなものです。その1個1個の細胞や機能が争っていて、全体が健康であるわけがないでしょう。こんな単純なことが、人間にはわからないのです。それは何故かというと、意識があまりにも内に向きすぎているからです。その自我の欲求によって内向きに偏った意識が発する想いや行動が、全体をバランスよく捉えることを阻んでいるのです。それは一人の人間が、自制心がないために生活習慣病になっているような状態です。
一人ひとりの人間が自我に溺れ、自我の欲望を満たすことばかりを考えて客観的視点を持たずにいるから、人類はそんな簡単なことがわからずにいます。その世界観の狭い者たちが、民主主義だ何だと言って利益誘導型の社会システムを創り、その欲望のもとに代表を選んで国家ができ、その延長線上に今の地球があるからこういった状態になっているのです。

この世界はすべて相似形ですから、小さなものも大きなものもすべて同じ構造になっています。宇宙全体も、我々の体も、細胞の一つひとつも原子の構造も、皆同じ仕組みで成り立っています。それはどういうものかと言うと、自らが存在するということは、同時にもう一つ大きなものの一部としての役割を果たしているということです。それが調和であり、協同するということであり、生命の構造そのものなのです。
しかしそんな単純なことが、わからない人にはわからないのです。番組の中であるドイツ人夫婦が、移民を受け入れないことがいかに大切かということを真剣に考えて近所の人々を説得するシーンがありましたね。そうしたらそれを聞いて、移民を受け入れるべきだという平和的な考えのはずの人が「あなたのような人が近所に住んでいるなんて耐えられない」と言い返していました。すべての人を尊重するべきだから移民も受け入れるべきだという人が、自分と考えの合わない人を排除しようとしているのです。その姿から学べるでしょう。
パズルのピースは、一つひとつが個性的な形をしていて、同じ形のものは二つとありません。他の場所には決してはまらない。しかし、はまるべきところにしっかりはまれば、それによってパズルに描かれている景色全体が完成します。一つでも抜けていては未完成なのです。
我々は、一人ひとりがそのパズルのピースのような立場を与えられています。どのピースも必要なのです。それを認めることから、今ヨーロッパで起きている問題も解決されていくのです。

簡単なことでしょう。パズルからでも学べるのですよ。自然はすべてそういった仕組みの中にあるのに、人間だけがそこから外れています。こんなに人間が自然から外れたことは過去にもないでしょう。あの第二次世界大戦の時代よりもさらに、今の方が外れています。第二次世界大戦のころも暗い時代でしたが、それでも、一つの民族は団結していました。今は一つの民族すらバラバラになっているのです。それを構成する一人ひとりの自我の意識が強く、日常生活の中ですら心が通じ合っているとは言えません。
だからこそ、この生き方が大切なのだということを改めて自覚するのです。大事なのは、こういった番組を観て、次の一歩をどのような意識で踏み出すかということです。
我々は、地球の歴史を横軸として、その上に生きています。そして縦には、宇宙の星と星のメカニズムがあり、そのサイクルが我々生命の中に流れているのです。そんな意識を持って生きる人間が、そろそろ地上を闊歩してもいいでしょう。それは地上に天の意志が反映されて成り立っているということ、つまり地上天国です。天の意志を持った人々が融和して生きる神人和合の世界です。宗教の世界ではずっとそのようなことが言われてきましたが、残念ながらまだ地上にはその世界は訪れていません。これからの1000年をかけてそれが達成されるのだろうと思いますが、21世紀に入り、やっとその兆しが顕れてきました。その一つが、このヨーロッパの混乱です。古いものが壊れなければ、新しいものは生まれないのです。

今日の番組は日本の国営放送が制作したものですから、ある程度の日本人が観ていることでしょう。海外でも観ている人がいるかもしれません。多くの人はそれを自分と直結させるのではなく、世界にはこういう問題があるのだと自分から切り離して見ているところがあります。しかし、この世界で起きていることは必ず自分にも何らかの原因があって起きているのです。
だから、自分一人が切り替わろう。そう意識した人々がネットワークしていけばこの問題は解決に向かっていきます。

みかこ:
EUができたのも、二度の世界大戦があまりにも悲惨で、もう戦争はこりごりだというところから一つになろうとしたわけだけど、結局、心を変えなければいくらシステムを変えても形だけになってしまって、そのボロが今出てきているということだよね。

いさどん:
自分の身近なところだけを見ていても、本当に切り替わることにはなりません。自分の内側で想っていることと、自分の外にある広い世界が一致して、初めてこの世界に影響を及ぼすようになるのです。ですから、広い世界観の意識の上に立って自らの内を観る人になることです。

今、時代の切り替わりの時が来て、本当に一人ひとりが目覚め、菩薩として生きる時が来ています。自然界では、木も、草も、微生物ですらどこにも所属せず、宇宙に所属しています。そして地球生態系ネットワークの中で自らを存分に発揮し、菩薩として存在しているのです。
存分に発揮するとは、自分というものの自我をすべて表現したということです。そして世界の成り立ちに貢献している姿です。そこに至ることが、人類がこれまで愚かしい歴史を歩んできたことの延長にある答えなのです。狭く身近に区切った答えを見つけて、自己満足する世界に意識があれば、それはこの世界の時代の流れに反することになりますが、意識が広がれば、地球の歴史や人類の歴史を超えて、宇宙の目的と共にある自我であることもできるのです。そういった意識に到達することが、人として生まれ目指すべき本当の価値なのです。

21世紀に入り、そのメッセージが人間社会の在り様を通して垣間見えてきています。今は2016年ですが、3000年ごろには人類の意識は完全に宇宙時代を迎えます。今は地球をどうするかという話をしていますが、その頃には宇宙をどうするかという話になっているでしょう。地球ネットワークを超えて、太陽系ネットワークや、ひょっとすると銀河全体までその意識が広がっているかもしれません。
その時に、物理的な目の前の出来事の対策に追われているようでは、それに対応することはできません。次の時代は物理的な五感だけでは把握できない世界だからです。これからの時代は、霊的意識が高まらなければ、次の時代の運営にふさわしい智慧を引き出すことはできません。そして人間には、それをできる能力があるのです。

2016年の幕が明けたばかりのところであまり先の世界の話をしても消化不良になりますから、今日はここまでにしておきましょう。ただ僕がここで伝えたいことは、21世紀を迎え、ここにこういった人々の生活がある。地球上にこういった場所があるということです。時代の流れがわかればわかるほど、その大切さを感じます。その自覚を持てば、明日からのあなたの在り方は、変わるはずなのです。